奥歯の治療
虫歯の進行度について
虫歯の進行度を表す用語として、5段階の「CO・C1・C2・C3・C4」があります。
CO…初期虫歯
C1…エナメル質まで虫歯が進行した状態
C2…象牙質まで虫歯が進行した状態
C3…神経まで虫歯が進行した状態
C4…歯冠が崩壊し、根だけになった状態

虫歯の程度と治療について
C2程度の虫歯
範囲がさほど広くなければ、CR(コンポジットレジン=白いプラスチック)を詰める事により1回で治療は終了します。ただしC2であっても、虫歯の範囲が広くなると型をとって詰める治療になります。詰める材料には保険適用の金銀パラジウム合金と、保険外のハイブリッドセラミクス(陶材とレジンの混合材料)、ポーセレン(陶材)、貴金属(金合金・白金加金)があります。この場合2~3回の来院が必要です。
C3(神経が無い状態)の虫歯
歯の根に土台を立てて、外側からかぶせる治療になります。かぶせる治療には、保険適用の金銀パラジウム合金冠、CAD/CAM冠と、保険適用でない陶材焼付鋳造冠(メタルボンド、ポーセレン冠)、ジルコニア冠、ハイブリッドセラミクス冠(陶材とレジンの混合材料)、硬質レジン前装冠、貴金属冠(金合金・白金加金)があります。治療には2~3回の来院が必要です。
各材料の比較
● コンポジットレジン(保険)・硬質レジン前装冠(保険外)
長所:歯とあまり区別つかない状態で回復できます。
短所:比較的早くプラスチックが変色し光沢が無くなり、一部削れたりしてきます。詰める治療では歯との境が黒くなる傾向にあります。硬質レジン前装冠では外側のみプラスチックで白いですが他は金属が見えます。
● 金銀パラジウム合金(保険)
長所:金属ですので強度はあります。
短所:銀色ですので見栄えが良くありません。銀が主成分ですので金属アレルギーの心配があります。歯との馴染みが今ひとつのためセメントが溶けやすくなります。その結果2次的な虫歯になる心配があります。
● ハイブリッドセラミクス冠(保険外)
長所:長期的に見ると陶材焼付鋳造冠よりもやや強度、耐久性に劣りますが、保険の冠よりはるかに優れます。
短所:時間の経過とともに保険のプラスチックほどではありませんがわずかな変色、光沢の消失が見られます。
● 陶材焼付鋳造冠(保険外)
長所:強度、耐久性に申し分なく天然の歯をほぼ再現しており、非常に魅力的な治療法です。
短所:ほとんどありません。金属アレルギーの方は検討が必要です。
●オールセラミクス冠(保険外)
長所:強度、耐久性に申し分なく天然の歯をほぼ再現しており、非常に魅力的な治療法です。
短所:ほとんどありませんが、食いしばりや歯ぎしりの強い方では破損の可能性があります。
●ジルコニアクラウン(保険外)
長所:強度、耐久性に申し分なく天然の歯をほぼ再現しており、非常に魅力的な治療法です。前歯よりは奥歯にお勧めです。
短所:ほとんどありませんが、色の再現はセラミクスのほうが優位です。
●貴金属合金(保険外)
長所:強度、耐久性、歯への馴染み等申し分なく、2次的な虫歯にもなりにくい治療です。
短所:ほとんどありませんが、強いてあげるならば金色や銀色という金属色が出てしまうことです。
※小臼歯ではハイブリッドセラミクス冠・陶材焼付鋳造冠・オールセラミクス冠・ジルコニア冠を、大臼歯では陶材焼付鋳造冠・オールセラミクス冠・ジルコニア冠をお勧めいたします。
2024年2月1日